目次
野沢温泉の特徴は?
長野県北部にある野沢温泉は、奈良時代に発見されたという言い伝えのある古い温泉地です。30余りある源泉から引湯された100%の天然温泉を、外湯・温泉宿などでじっくりと味わえます。
野沢温泉の源泉の温度は約40〜90度。源泉掛け流しにこだわる外湯などでは基本的に加水をしていないため、慣れていないとかなり熱いと感じられるかもしれません。「ぬる湯」と「あつ湯」の浴槽に分かれた浴場では、「ぬる湯」を選ぶと良いでしょう。それでも熱くて入れないようであれば、一緒に入っている人に断って加水することもできます。ただし加水を嫌う人もいるため、水を流し続けるのは避けた方が良いでしょう。
1. 温泉街で外湯巡り!おすすめの外湯4箇所
温泉街に全部で13箇所ある外湯。それぞれが徒歩で巡れるほど近い場所に位置しています。
外湯は古くから地域住民の共同浴場であり、「湯仲間」と呼ばれる住民たちによって維持されてきました。湯仲間が維持費を負担して掃除をしているおかげで、外湯はいつも清潔。無料で利用できますが、各外湯には感謝の気持ちとしてお金を入れられる賽銭箱があります。
オープンの時間は基本的に4月〜11月は5時から、12月〜3月は6時から。夜は23時まで開いています。
地元の人がよく訪れる外湯では、村民と観光客が交流する光景もよく見られます。共同浴場では気軽に挨拶してみましょう。
野沢温泉外湯巡り
外湯めぐり(野沢温泉観光協会)公式サイト
温泉街の中心にある代表的な外湯「大湯」
「大湯」は温泉街の中心にあり、外湯の中で最も象徴的な場所。野沢温泉に行くなら一度は訪れたい有名なスポットです。
江戸時代の面影のある湯屋建築が印象的。浴場も昔ながらの雰囲気が残っています。泉質は単純硫黄泉で、胃腸病やリウマチなどに効果が高いとされています。温泉にはあつ湯とぬる湯がありますが、ぬる湯でも温度はかなり高いので、少しずつ体を慣らすようにしましょう。
大湯
所在地:長野県下高井郡野沢温泉村豊郷8765
野沢温泉で一番大きい木造建築の外湯「中尾の湯」
共同浴場の中で一番大きい建物が「中尾の湯」です。大湯と同様に、重厚な雰囲気を醸し出す木造の湯屋建築が特徴的。有名な源泉「麻釜」から湯を引いており、皮膚病・リウマチ・婦人病などへの効果が期待できます。
中尾の湯
所在地:長野県下高井郡野沢温泉村大字豊郷6661
ぬるめのお湯に浸かるなら「熊の手洗湯」
「熊の手洗湯」は、熊が発見したという言い伝えのある外湯です。火傷・切傷への効果が期待できると言われるこの外湯は、源泉の温度がほかと比べて約40度と低いのが特徴。熱いお湯が苦手な方には熊の手洗湯がおすすめです。「ぬる湯」に慣れたら「あつ湯」も試してみるといいでしょう。
熊の手洗湯
所在地:長野県下高井郡野沢温泉村豊郷8955
地元民に愛される憩いの場「十王堂の湯」
閻魔堂の前にある「十王堂の湯」はレトロな2階建て。浴室は無駄がないシンプルな作りです。温度は高めですが、足を伸ばして入れる広さがポイント。こちらは「麻釜」と「湯ノ宮」から引湯されています。
十王堂の湯
所在地:長野県下高井郡野沢温泉村大字豊郷9604
3. 国の天然記念物!有名な源泉「麻釜」へ
30以上ある源泉の中で一番有名なのが、国の天然記念物に指定されている「麻釜(おがま)」です。90度以上の熱湯が湧き出ており、昔、この源泉のお湯に麻を浸して皮をむいたことが名前の由来になっているようです。
麻釜は「野沢温泉の台所」と呼ばれるほど地元民の生活に密着した場所です。大釜・丸釜・ゆで釜・竹のし釜・下釜に分かれた湯だまりでは、それぞれ卵・野菜・山菜を茹でたり、工芸品の材料であるあけび蔓などを浸すのに使われています。麻釜は、村民以外立ち入り禁止であり、観光客は囲いの外から見学できるようになっています。
麻釜
所在地:長野県下高井郡野沢温泉村豊郷8713-ロ
麻釜(野沢温泉観光協会)公式サイト
4. シャワーブースがある日帰り入浴施設「麻釜温泉公園ふるさとの湯」へ
「麻釜温泉公園ふるさとの湯」は、麻釜から歩いてすぐの場所にある日帰り入浴施設です。野沢温泉の外湯はシャワーがない場所が多いですが、ここにはシャワーブースが設置されています。内湯のあつ湯とぬる湯のほか、露天風呂も完備。シャンプーやボディソープも備え付けられているので、ほかの人に気兼ねなく体を洗ってから温泉に浸かることが可能です。
「麻釜温泉公園ふるさとの湯」の近くにはミニ温泉広場「湯らり」があり、足湯に浸かったり、温泉卵を作ることができます。冬季は積雪により閉鎖されるので、雪のない春から秋の時期に行ってみてください。
麻釜温泉公園ふるさとの湯
所在地:長野県下高井郡野沢温泉村豊郷8734
麻釜温泉公園ふるさとの湯(野沢温泉村)公式サイト
5. 温泉街のそぞろ歩きと集印めぐり
温泉街には、大湯通りや麻釜通りといった通り沿いに土産物店やカフェなどが軒を連ねています。温泉街の名物は温泉まんじゅう。お店によって皮もあんこもそれぞれ味わいが異なる温泉まんじゅうを食べ比べてみましょう。
野沢温泉の観光名所を回るなら、集印めぐりがおすすめです。まず、野沢温泉観光案内所や土産物店などで集印帳を入手します。案内を読みながら名所・旧跡などにある集印所で10個以上の記念印を集めると、野沢温泉オリジナルの記念品がもらえる仕組みです。
記念品となるタオルや手ぬぐいにデザインされた「湯」の文字は、芸術家・岡本太郎のデザイン。岡本太郎は野沢温泉とゆかりが深く、野沢温泉村役場前をはじめ、岡本太郎作の像が村内に点在しています。
6. 温泉卵作りに挑戦!
温泉街には卵が売られていて、外湯などで温泉卵作りに挑戦できます。卵黄よりも卵白が柔らかい温泉卵を作るには、70度ほどが適温。散策の途中で気軽に作れるので、試してみてください。
<温泉卵作りができる場所>
・上寺湯
・熊の手洗湯
・松葉の湯
・十王堂の湯
・ミニ温泉広場ゆらり(冬季閉鎖)
7. 日本でも有数の広さ!「野沢温泉スキー場」でスキー三昧
野沢温泉スキー場は、総面積約297ha、最長滑走距離は約10kmと日本でも有数の広さを誇るスキー場です。野沢温泉の温泉街から歩く歩道「遊ロード」を利用して気軽にアクセスできるようになっています。
幅広く見通しの良い緩斜面、最大斜度39度の急斜面、晴れた日には日本海を見渡せる山頂エリアと、バラエティ豊かなコースが揃っています。また、バックカントリーエリアや競技専用コースがあることも特徴のひとつです。キッズパークや託児所も完備されているので、子連れでも安心。家族や友人と心置きなくスキーを楽しめます。
ウインターシーズンは例年11月下旬から5月初旬までオープン。6月中旬から11月初旬までは次世代スノーマットを敷いたサマーゲレンデで、本物の雪の上を滑走しているかのような感覚を味わえます。
8. 人気の温泉宿に泊まる
野沢温泉では外湯が人気ですが、それぞれ工夫や心配りが行き届いた温泉宿も魅力です。温泉街には温泉が付いていない宿もあるので、温泉にこだわるなら源泉掛け流しの温泉宿を探してみてください。ここでは、源泉掛け流しの温泉がある中でも、特に人気の高い宿を3軒紹介します。
温泉街の便利な場所!2タイプの露天風呂付き客室がある「野沢温泉ホテル」
温泉街の中心にあり、スキー場にも近く、観光に便利な温泉宿。檜の湯、季節や時間により色が変わる瑠璃の湯といった露天風呂・大浴場の寝湯などで贅沢な時間が過ごせます。プライベートを重視するなら、和洋室と和室タイプから選べる露天風呂付き客室がおすすめです。
野沢温泉ホテル
所在地:長野県下高井郡野沢温泉村豊郷7923-3
野沢温泉ホテル公式サイト
18代続く老舗「旅館さかや」
宮大工による湯屋建築造りの大浴場が自慢の老舗温泉旅館。サウナと天然の清水を利用した水風呂が併設された露天風呂・予約制の内風呂もあります。山菜・キノコ・地野菜を使った創作和食も人気を集める理由のひとつ。客室は和室・和洋室などのほか、長期滞在・大人数での宿泊が可能なコンドミニアムタイプからも選べます。
旅館さかや
所在地:長野県下高井郡野沢温泉村豊郷9329
旅館さかや公式サイト
2種類の源泉から引湯「河一屋旅館」
「河一屋旅館」は、露天風呂は真湯、内湯は麻釜と、2種類の源泉から引湯された温泉に入れる宿です。そのうち天下の名湯と呼ばれる真湯は源泉掛け流し。湯の花が浮かび、気温などにより色が変化する温泉は雰囲気抜群!2種類の黒毛和牛を食べ比べる和牛の膳、3種の川魚ステーキを取り入れた川魚の膳など食事で選べる宿泊プランが豊富です。
河一屋旅館
所在地:長野県下高井郡野沢温泉村大字豊郷9780-4
河一屋旅館公式サイト
30余りの源泉がある野沢温泉を楽しみ尽くそう!
野沢温泉は、源泉で野菜を茹でる様子を眺めたり、外湯で地元の人と交流したりできる温泉地です。温泉街付近には初級者から上級者まで満足できるスキー場もあって、温泉・スキー好きにはたまらない場所。日帰りもよし、コンドミニアムでロングステイもよし、好みのスタイルで温泉街とスキー三昧の旅を満喫してくださいね。
※記事内の情報は掲載当時(2022年10月20日)のものであり、また、予告なしに変更することがあります。ご旅行の前に公式サイト等でご確認ください。
関連するスキー場
野沢温泉スキー場 長野県
コース | 44 |
リフト | 19 |
最長滑走距離 | 10,000 m |
最大斜度 | 39 ° |